代表作 交響曲第1番、第2組曲、第3組曲、ダイヤモンドバリエーションズ、ロベルト・シューマンの主題による変奏曲、黙示録、交響曲第2番「三法印」、ジュビラーテ、Tuba協奏曲、吹奏楽のための協奏曲、ヒロイック・サーガ、第1組曲、Mystic Chords Of Memory他。2018年には交響曲第3番を発表。現在84歳で活躍中。
第2楽章「新月の夢」Dreams Under New Moonは、一種の魂の旅を描いています。ブルージーなクラリネットのメロディーに、ミュートのトランペットとピッコロによる聖歌のようなテーマが応えます。神秘的なものから暗いもの、平和で癒しのものまで、さまざまな夢のエピソードが続きます。上昇するラインが楽器から楽器へと受け継がれていくにつれて、希望の感覚が主張し始めます。音楽が高揚し、変調に次ぐ変調が発生します。終わり近く、主題が聖歌と対位法で戻り、壮大なクライマックスを迎え、その後穏やかなコーダに落ちます。最後の変ロ長調コードは、疑問を投げかけるような変ロ長調によって彩られています。
3楽章「解き放たれたアポロ」Apollo Unleashedは、壮大な楽章であり、言葉で伝えるのが最も難しい楽章です。古代の太陽神であるアポロンのイメージは、タイトルだけでなく、その燃えるようなエネルギーにもインスピレーションを得ました。明るい響き、速いテンポ、疾走するリズムが組み合わさって、交響曲のフィナーレに相応しい緊迫感。その一方で、崇高なバッハのコラール BWV 433 (Wer Gott vertraut, hat wohl gebaut) によって和らげられ、音楽が豊かになります。このコラールは私のお気に入りであり、精神的な支えとして音楽に魂を与えます。
Clarinetti in F, ヘ長調クラリネットClarinetti in C,ハ長調クラリネットCorni di Bassett バセットCorno Basso (Ophicleide)オフィクレイドこれらは現在では順にE♭Clarinet、B. Clarinet、Bassett horn or Alto Clarinet、Tenor tuba or Eurphoniumで演奏します。また原曲は24人編成です。時代楽器による演奏の特徴は、現代の進化した楽器では出せない素朴な音質、ニュアンス、音量にあります。これを正確に再現するには木管、金管、打楽器すべてを時代楽器で揃えなければなりません。また演奏会場は木造建築で100~200席が理想でしょう。
First Suiteの魅力は、その見事な主題の展開手法です。1楽章冒頭のシャコンヌのテーマは16回繰り返されますが、その一つ一つは見事な変化を展開します。このテーマは2楽章インテルメツォへ継承され、軽快で快活な新たな音楽として生まれ変わります。さらに3楽章Marchでは、主題音形の提示から伝統的なブリティシュスタイルバンドへ展開し、中間部の威風堂々とした愛国歌を彷彿とさせる旋律に発展し、さらに壮大な終結へ導きます。シャコンヌにおける主題の展開を印象付けるために全楽章休みなしで続けて演奏することが、指示されています。
Second Suiteの魅力は、全てイギリス民謡からできている事です。2歳年上だった最も親しい作曲家ヴォーン・ウィリアムス(イギリス民謡組曲、グリーンスリーブス幻想曲などが有名)の強い影響で、自国の民謡を収集して作曲したのです。これは後の吹奏楽作曲のお手本となりました。ゴードン・ジェイコブ(ウィリアムバード組曲)やP.グレインジャー(リンカーシャの花束)などに継承されました。