ジャンニー二がリードとコリリアーノに伝えたこと

ヴィットリオ・ジャンニーニ Vittorio Giannini(1903–1966)

イタリア移民の音楽一家に生まれ、ジュリアード音楽院やマンハッタン音楽院で教鞭を執った、20世紀アメリカを代表する教育者・作曲家です。徹底した古典的な対位法と、イタリア・オペラの伝統を汲む美しい旋律美を重んじました。リード、コリリアーノの作曲の先生で、特に吹奏楽の分野で歴史的な傑作を残しました。ジャンニーニは、前衛的な音楽が台頭した時代にあっても、一貫して伝統的な響きを大切にした「新ロマン主義(ネオ・ロマンティシズム)」の作曲家であり著名な教育者としても知られています。
彼の音楽は、イタリア的な抒情的旋律と、ドイツ的な厳格な管弦楽法を融合させたスタイルが特徴です。温かみのある歌心、堅実な構成、そして職人技とも言える緻密な対位法に支えられています。

ジャンニーニが吹奏楽界で今日まで高く評価されているのは、1950年代以降にフレデリック・フェネルやウィリアム・レヴェッリといった指導者たちの依頼を受け、吹奏楽を「芸術的な表現媒体」として真剣に捉えて作曲したからです。

またジャンニ-二は弟子たちに「自分の真似をするな」「音楽家として誠実であること」を教えました。その精神が「ドラマチックなリード」と「革新的なコリリアーノ」という異なる個性を開花させたのです。


交響曲第3番 Symphony No.3, 1958

彼の吹奏楽作品の中で最も有名で、吹奏楽レパートリーにおける金字塔の一つです。全4楽章構成で、金管楽器の輝かしい響きと木管楽器の繊細な歌が見事に調和しています。吹奏楽のための交響曲という枠を超えた20世紀のアメリカ音楽を代表する作品です。


第1楽章:Allegro energico
冒頭、金管楽器が力強いテーマを奏でます。ここではジャンニーニの「構成力の巧みさ」に注目してください。ソナタ形式という伝統的な枠組みの中で、金管の硬質な響きと木管の柔らかな対比が完璧に計算されています。
第2楽章:Adagio possible
ジャンニーニの真骨頂である「歌」の楽章です。イタリア・オペラのアリアを思わせるような、切なくも美しい旋律がオーボエやフルートによって紡がれます。金管楽器が背景に回り、オルガンのような豊かな響きを支える手法は、彼がワーグナーから学んだ色彩感の応用です。
第3楽章:Allegretto
スケルツォ風の楽章ですが、非常に軽妙で優雅です。木管楽器の素早いパッセージが、まるで光が跳ねるように動きます。彼の「職人芸」とも言える軽やかな対位法が楽しめます。
第4楽章:Allegro con brio
フィナーレにふさわしい、推進力に満ちた楽章です。高揚感とともに全合奏(トゥッティ)で盛り上がる幕切れは圧巻です。


<主な吹奏楽作品>
・前奏曲とアレグロ (Praeludium and Allegro, 1959)
・ファンタジア (Fantasia for Band, 1963)
・献呈序曲 (Dedication Overture, 1965)(Variations and Fugue, 1967): 没後に発表された、彼の対位法技術の粋を集めた難曲です
< 主な管弦楽、オペラ作品など>
・オペラ『じゃじゃ馬ならし』 (The Taming of the Shrew): シェイクスピアを題材にした彼の最も成功したオペラ。
・交響曲: 生涯に7曲(番号付きは5曲)の交響曲を残しました。

 

 

 

 

 

 

 








 

PROGRAM

 

 

 

ヴィヴァ・ムジカ!/アルフレッド・リード

VIVA MUSICA! A Concert Overture for Winds/Alfred Reed

 

 

2026年度全日本吹奏楽コンクール課題曲


I.夕映えの丘/森山 至貴
 (第35回朝日作曲賞受賞作品)


Ⅱ.ザ・ガーズ/星出 尚志
 (2026年度全日本吹奏楽連盟委嘱作品)


Ⅲ.あつまれ おもちゃのマルチャ!/伊藤 士恩


Ⅳ.管楽器のためのフィナーレ/伊藤 康英
 (2026年度全日本吹奏楽連盟委嘱作品)

 

 

オセロ -シェイクスピアに基づく5つの場面による交響的描写/アルフレッド・リード
Othello — A Symphonic Portrait in Five Scenes after Shakespeare/Alfred Reed


I.前奏曲(ヴェニス)Prelude (Venice)
II. 朝の音楽(キプロス)Aubade (Cyprus)
III.オセロとデズデモーナOthello and Desdemona
IV. 廷臣たちの入場 Entrance of the Court
V.デズデモーナの死、終曲 The Death of Desdemona; Epilogue

 

 

intermission

 

 

ナタリーのための子守唄/ジョン・コリリアーノ

Lullaby for Natalie  /John Corigliano

arranged by Peter Stanley Martin

 

 

 

交響曲第3番ヴィットリオ・ジャンニーニ 

Symphony No.3/Vittorio Giannin

 

 




 

 

 

 

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